「昔から英語が苦手で、英語を学び直したいけど、何から手をつけたらいいのか分からない」
このような悩みを見かけることがよくあります。
こういった悩みを持っている方へのよくあるアドバイスが、「中学レベルの教科書や参考書など基本的なことから学び直せばいい」というものです。
確かに、いきなり英会話本を使って、英語の構造が分からないまま会話文を覚えるよりも、中学の参考書などできちんと文法を理解したほうが、英語を習得するには近道だと私も思います。
しかし、書店で売られている中学英語の参考書や、英語の基礎から解説している本などを見てみると、「分からない人にはこの内容でも挫折するのではないか?」と感じました。
そこで当ブログでは、英語を「イチから」ではなく、「ゼロ」から学びたいという人に「英語の基礎中の基礎」をどこよりも分かりやすく解説したいと思います。
このような方にオススメの記事です。
こんな方におすすめ
- アルファベットは分かる
- 英語の構造が分からないので英単語を調べても英文が読めない
- 昔から文法が苦手だった
- 中学レベルの参考書でも挫折してしまった
このシリーズでは、英語の基礎をしっかりと理解してもらうため、例外となる場合や、もっと勉強が進んでから覚えればいいと思えるような部分は、あえてカットしています。
補足事項をあれこれ書いてしまうと逆にややこしくなってしまうので、ここでは本当に基礎的な部分に的を絞って解説します。
基礎的な部分をきちんと理解できるようになれば、今後難しい英文に出くわしても、「自分で単語の意味などを調べれば英文を理解できる」というレベルになります。
できるかぎり分かりやすい表現で解説するようにしています。もし理解出来ない部分があれば、ぜひコメントでお知らせください。
それでは、いってみましょう!
はじめに 英文は順番(文型)が重要
日本語にも言葉の順番がありますよね。
例えばこのような文章。
①「私は公園に行きます。」
「私は→公園に→行きます」という順番が自然な日本語です。
英語にも決められた順番があります。
そして、英語はこの順番が非常に重要で、順番が変わることで意味も大きく変わります。
まずはこの英語の順番(「文型」と言います)について理解しましょう。
日本語を要素ごとに分けてみる
英語の文型を理解するには、まずは「日本語を要素ごとに分ける」という作業が必要です。
今回は、この3つの要素を覚えましょう。
3つの要素
主語=「私は公園に行きます」「太郎が踊りました」の「私は」「太郎が」の部分
述語=「私は公園に行きます」「太郎が踊りました」の「行きます」「踊りました」の部分
目的語=「私は公園に行きます」の「公園に」の部分
文中で
「~は」や「~が」の部分が主語です。
「踊った」や「行く」などの「動作」を表している部分が述語です。
「~に」や「~を」の部分が目的語です。
MEMO
※これ以降は、「主語=S」「述語=V」「目的語=O」と記号化して表記します。文法の解説でよく使われたり、長文を読む時などに使うと便利な記号なので、ぜひ覚えてください。
それでは、上の例文を参考に、次の例文から、「主語(S)」「述語(V)」「目的語(O)」を探してみてください。
②エラーが発生しました。
③太郎が笑いました。
④次郎は横浜に住んでいます。
⑤新入社員が資料を作成しました。
⑥彼は彼女を愛しています。
いかがでしょうか?
正解はコチラです。
正解
②エラーが発生しました。
→「エラーが」=S
→「発生しました」=V
③太郎が笑いました。
→「太郎が」=S
→「笑いました」=V
④次郎は横浜に住んでいます。
→「次郎は」=S
→「横浜に」=O
→「住んでいます」=V
⑤新入社員が資料を作成しました。
→「新入社員が」=S
→「資料を」=O
→「作成しました」=V
⑥彼は彼女を愛しています。
→「彼は」=S
→「彼女を」=O
→「愛しています」=V
英語の順番に入れ替える
日本文を要素ごとに分けることができたら、次はそれを英語の順番に入れ替えてみましょう。
英語の順番(文型)にはいくつかのルールがあります。
今回は次の2つのパターンを覚えてください。
パターン1 S→V(②③)
まずは、S(主語)とV(述語)だけの文章です。
英語には必ず「S」と「V」が入っていて、順番は「S→V」です。
例外もありますが、これだけは覚えておいてください。
上の例だと②と③の文が当てはまります。
②エラーが発生しました。
→「エラーが(S)」→「発生しました(V)」
③太郎が笑いました。
→「太郎が(S)」→「笑いました(V)」
となります。日本語と順番が同じなので覚えやすいですね。
チェックポイント
英語には必ず主語(S)が必要です。
例えば日本語だと
「昨日ディズニーランドに行って・・・」
と、主語を省略して話すことが多いですが、
英語では
「昨日私はディズニーランドに行って・・・」
と、必ず主語を入れます。
他の例で言うと、
「明日何か予定ある?」
という日本語を英語にするなら
「あなたは明日何か予定ある?」
と、主語(あなたは)を入れます。
パターン2 S→V→O(①④⑤⑥)
上の「S→V」に、「O(~に、~を)」が1つ加えられたパターンです。
この場合は、「S→V→O」の順番になります。
上の例だと、①④⑤⑥の文が当てはまり、英文にする時はこのような順番になります。
①私は公園に行きます。
→「私は(S)」→「行きます(V)」→「公園に(O)」
④次郎は横浜に住んでいます。
→「次郎は(S)」→「住んでいます(V)」→「横浜に(O)」
⑤新入社員が資料を作成しました。
→「新入社員が(S)」→「作成しました(V)」→」資料を(O)」
⑥彼は彼女を愛しています。
→「彼は(S)」→「愛しています(V)」→「彼女を(O)」
日本語の助詞の代わりに語順がある
ここで1点覚えておいてほしいことがあります。
それが、「英語に助詞はない」ということです。
日本語には、「助詞」があります。
「助詞」というのは、日本語でいうところの「〇〇が」「〇〇は」「〇〇に」「〇〇を」の「が・は・に・を」の部分です。
日本語には助詞があるので、上で書いたような「主語・述語」などが多少入れ替わっても意味が通じるようになっています。
例えば、「太郎は 花子を 愛しています」という日本語を「花子を 愛しています 太郎は」と順番を入れ替えても、助詞があるおかげで、太郎が花子のことを愛しているということは分かります。
しかし、英語には助詞がありません。
助詞がない代わりに、これまで説明してきた「語順」で意味を理解することになります。
「太郎は花子を愛しています」を、先程と同様に、要素で分けてみましょう。
太郎は=S
花子を=O
愛しています=V
となります。
目的語が1つ入った文章の順番は、「S→V→O」なので、
「太郎は→愛しています→花子を」という順番になり、これで、「太郎は花子を愛しています」という文章が完成します。
それでは、この順番を入れ替えるとどうなるでしょうか?
先程、日本語の順番を入れ替えた場合(花子を 愛しています 太郎は)は、太郎が花子を愛しているという意味に変わりはありませんでした。
しかし、英語になると意味は変わってきます。
分かりやすいように、日本語も助詞を取って考えてみます。
「太郎→愛しています→花子」を「花子→愛しています→太郎」という順番にするとどうでしょうか?
目的語が1つ入った文章は、「S→V→O」という順番でした。
つまり上の文章だと、「花子は太郎を愛しています」という意味に変わります。

語順が変わると意味も変わる。
このように、英語には助詞がなく、その代わりに語順で意味が変わってくるということを覚えておいてください。
語順さえ覚えてしまえば、日本語のように助詞を覚える必要がないので、日本語の構造よりもシンプルであると言えます。
実際に英語に変換してみる
それでは、これまでのことを踏まえて、例文を英語にしてみましょう。
「私は本を買いました」という文章を例に英文に変換してみます。
まずは、日本語を要素ごとに分けましょう。
私は=S
本を=V
買いました=O
となります。
目的語が1つ入っている文章なので、英語の順番は「S→V→O」となり、
「私は→買いました→本を」
となります。
さらに、英単語を調べるために助詞を取りましょう。
すると、
「私→買いました→本」
となります。
次に、これらの単語を英語に変換します。
今回は、誰でも利用できるGoogle翻訳を使って調べてみましょう。
主語か目的語かで変わる単語がある
それでは主語の「私」の英語を調べてみます。
「私 英語」と検索してみましょう。
すると、Google翻訳では「me(ミー)」と出てきました。

「私」と検索すると「me」と出た
しかし、実は今回の「私」の正解は「I(アイ)」です。
それではなぜ、Google翻訳は「me(ミー)」と翻訳したのでしょうか?
ここで、覚えてもらいたいルールがあります。
先程出てきた「太郎」や「花子」のような固有名詞(人名・地名・会社名など)は、主語でも目的語でもおなじように「Taro」「Hanako」でいいのですが、
「私」「あなた」「彼」「彼女」のような日本語(「代名詞」と言います)は、主語なのか目的語なのかによって、単語が変わります。
これは、暗記してもらうしかないので、頑張って覚えましょう。
主語か目的語かで変わる単語は次の通りです。
主語(~は、~が)の場合 | 目的語(~に、~を)の場合 | |
私 | I(アイ) (私は) |
me(ミー) (私を、私に) |
私たち | we(ウィー) (私たちは) |
us(アス) (私たちを、私たちに) |
あなた | you(ユー) (あなたは) |
you(ユー) (あなたを、あなたに) |
あなたたち | you(ユー) (あなたたちは) |
you(ユー) (あなたたちを、あなたたちに) |
彼 | he(ヒー) (彼は) |
him(ヒム) (彼を) |
彼女 | she(シー) (彼女は) |
her(ハー) (彼女を、彼女に) |
それ | it(イット) (それは) |
it(イット) (それを、それに) |
彼ら・彼女ら・それら(「彼・彼女・それ」の複数) | they(ゼイ) (彼らは) |
them(ゼム) (彼らを・彼らに、彼女らを・彼女らに、それらを・それらに) |
例えば「私達は」と主語として言いたい時は「we(ウィー)」、「私達に」や「私達を」と目的語として使いたい場合は「us」となります。
これを参考に、もう一度先程の例を見てみると、今回は「私は」という主語なので、上の表から「I(アイ)」だと分かります。
あとは、その他の単語も同じように検索してみましょう。
述語は敬語を外したほうが検索しやすいので、「買った 英語」と検索をかけると「bought(ボート)」という単語がヒットします。
さらに「本 英語」と検索すると「Book(ブック)」という単語がヒットします。
こうしてヒットした英単語を先程の語順で当てはめると、次のようになります。
「I bought Book」(私は本を買いました)
※英単語の大文字・小文字はGoogle翻訳でヒットしたまま載せています。これについてはこの記事の最後に解説します。
例文を英語にしてみよう
それでは、同じように上で出てきた例文を英語にしてみましょう。分からない単語はGoogleで検索してみてください。
①私は公園に行きます。
要素で分ける
私は=S
公園に=O
行きます=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V→O」の順番にする
「私→行く→公園」
英語に変換する
「私」=上の表で主語にあたる「私」→「I(アイ)」
「行く」=「go(ゴー)」
「公園」=「park(パーク)」
上の英語を並べる
「I go park」となる。
②エラーが発生しました。
要素で分ける
エラーが=S
発生しました=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V」の順番にする
「エラー→発生した」
英語に変換する
「エラー」=「error(エラー)」
「発生した」=「Occurred(オカード)」
上の英語を並べる
「error Occurred」となる。
③太郎が笑いました。
要素で分ける
太郎が=S
笑いました=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V」の順番にする
「太郎→笑った」
英語に変換する
「太郎」=「Taro」
「笑った」=「Laughed(ラフト)」
上の英語を並べる
「Taro Laughed」となる。
④次郎は横浜に住んでいます。
要素で分ける
次郎は=S
横浜に=O
住んでいます=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V→O」の順番にする
「次郎→住んでいる→横浜」
英語に変換する
「次郎」=「Jiro」
「住んでいる」=「live(リブ)」
「横浜」=「Yokohama」
上の英語を並べる
「Jiro live Yokohama」となる。
⑤新入社員が資料を作成しました。
要素で分ける
新入社員が=S
資料を=O
作成しました=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V→O」の順番にする
「新入社員→作成した→資料」
英語に変換する
「新入社員」=「new employee(ニュー エンプロイー)」
「作成した」=「Created(クリエイテッド)」
「資料」=「Document(ドキュメント)」
上の英語を並べる
「new employee Created Document」となる。
⑥彼は彼女を愛しています。
要素で分ける
彼は=S
彼女を=O
愛しています=V助詞を取り、述語の敬語を外して、「S→V→O」の順番にする
「彼→愛する→彼女」
英語に変換する
「彼」=上の表で主語にあたる「彼」→「he(ヒー)」
「愛する」=「love(ラブ)」
「彼女」=上の表で目的語にあたる「彼女」→「her(ハー)」
上の英語を並べる
「he love her」となる。
いかがでしょうか?
まずは、今回紹介した2つの文型「主語→述語」「主語→述語→目的語」を覚えられるように、ご自身でも簡単な日本語を英語に変換して練習してみてください。
自宅で、簡単に英作文の練習をするなら、「POCKETALK(ポケトーク)」がおすすめです。
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さらに文字と同時に音声も聞こえてくるので、正しい発音を知ることもできます。
ポケトークについての記事も書いているので、こちらの記事もぜひご覧ください↓。
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上で挙げた7つの英文ですが、実はまだこれだと正しい英文ではありません。
正解はこのようになります。
これまでの英文の正解
①私は公園に行きます。
「I go park」→正解「I go to the park.」
②エラーが発生しました。
「error Occurred」→正解「An error occurred.」
③太郎が笑いました。
「Taro Laughed」→正解「Taro laughed.」
④次郎は横浜に住んでいます。
「Jiro live Yokohama」→正解「Jiro lives in Yokohama.」
⑤新入社員が資料を作成しました。
「new employee Created Document」→正解「A new employee created a document.」
⑥彼は彼女を愛しています。
「he love her」→正解「He loves her.」
赤字の部分が違っている箇所です。
全て解説すると長くなるので、今回は次の3つのポイントを覚えてもらえればOKです。
①文章の最初は大文字で始まる
上の正解を見てもらうと分かる通り、文章の最初は常に大文字で始まります。
②「I(アイ)」だけは、常に大文字
基本的に、文頭の単語以外は小文字で始まりますが、「I(アイ・私は)」だけは常に大文字です。
その他にも大文字で始まる単語がありますが、今回は、「I=大文字」ということだけ覚えておいてください。
③文章の最後は「.(ピリオド)」で終わる
文章の最後は「.(ピリオド)」で終わります。
日本語の文章が「。(マル)」で終わるのと同じですね。
この他の違っている点については、次回以降の記事で説明したいと思います。
まとめ
というわけで今回はここまでです。
まずは、今回紹介した文型2パターンを頭に入れてください。
次回は、上の例文からさらに解説が必要な部分について解説したいと思います。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
TOEICについての記事も書いているので、こちらの記事も参考にしてみてください。
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