今日も前回に引き続き映画『マネー・ショート』に出てくる登場人物や金融用語など調べたことをここに記録していきます。
このシリーズも今回で最終回です。
今回の記事では、用語説明と、まとめとしてこの映画を観た感想なども書きましたので、合わせてご覧ください。
途中で出てくる用語で説明済みのものにはリンクを貼り付けました。ぜひ過去の記事も合わせてご参照ください。
※各項目の「シーン○」は私が個人的に分かりやすいように分けたものです。
※著作権侵害にならないように、ストーリーは控えめにして主に用語について書いています。ご興味のある方はぜひ映画を観ながら参考にしてください。
今日は1時間33分あたり、マイケルが顧客にメールを送るシーンから始めます。
シーン20
マイケルがとった行動
マイケルが賭けたCDOの価値はなかなか下がらない中、マイケルの顧客は資金を引き揚げようとします。
顧客から資金を引き揚げられてしまうとCDSの保険料を払えなくなるので、マイケルは強硬手段に出ます。
顧客はマイケルと契約した時に、ある同意書を提出していました。
その同意書の内容は、このようなものでした。
"もしマイケルが投資している市場が正常に機能していない(詐欺の可能性が高い)とマイケルが判断すれば、顧客は一時的に資金の引き揚げができない"
マイケルはこれを利用しました。
「マイケルが賭けているサブプライム・モーゲージ市場は詐欺の可能性が高い」
このようにマイケルが判断すれば、顧客はしばらくの間資金を引き揚げることはできなくなります。
その結果、マイケルが恩人として一番敬愛していた顧客から訴えられることになります。
最終的にマイケルと顧客との確執はどうなったのか?続きはぜひ原作を読んでみてください!
シーン21
モルガン・スタンレーの損失
モルガン・スタンレーはマークたちのファンドにオフィスを提供し、その代わりマークたちは売上の何%かをモルガンに渡していた(詳しくはコチラ)わけですが、このモルガン・スタンレーがモーゲージ債で損失を出したと言います。
キャシーがマークに何が起こったのかサラッと説明していましたが、最初この映画を観た時はよく意味が分かりませんでした。
しかし、原作を読んでみたところ、この話が個人的に一番面白かったです。
このモルガン・スタンレーのベニー(実名は違うようです)は、実はどこよりも早くCDSを買っていました。
つまり、「モーゲージ債の価値はいずれなくなる」方に賭けていたということです。
BBBのCDOに対するCDSを買っており、予想では20億ドルの利益を出す予定でした。
しかし、年間2億ドルの維持費(保険料)をどうにかして埋め合わせたい!
そこでベニーがとった行動はなんと!
AAAのCDOに対するCDSを売ってしまったのです。(映画ではAとAAに対するCDSになっていました)
そうすれば今度は保険料を貰う側になりますが、もしAAAのCDOが破綻してしまったら、保険金を払わなくてはいけなくなります。
「CDOはいずれ破綻する」と思っていたのに、なぜこのような行動に出たのかというと、「AAAなら破綻することはない」と思ったからだそうです。
しかし、AAAであろうと元を辿ればその中身はBBBのクズ債券の寄せ集めです。
しかも、AAAの保険料はBBBの保険料より安いので、自分が支払っている保険料2億ドル分を稼ぐには、約10倍のCDSを売る必要がありました。
そして、結局AAAだろうがBBBだろうがCDOは全て破綻し、モルガン・スタンレーは約150億ドルもの損失を出したということです。
彼はその後一体どうなったのか?についても原作で書かれているので、気になる方はぜひ原作本をチェック!
この映画を観終わった感想(まとめ)
というわけで、映画『マネー・ショート』の解説はここまでです。
ここから、登場人物たちはCDSを売り始めます。
クライマックスはここでは控えておきますが、もっと詳しく知りたい方は原作を読むことをおすすめします。
初めてこの映画を観た時は本当に何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。
登場人物の彼らはいったい何に驚き、何に怒り、何に悲しんでいたのか??
全くついていけませんでした。
今回このブログを書くにあたって、原作やサブプライム・ローンの資料・本を読み込みました。
この映画のストーリーがようやく見えた今、率直な私の感想としては、
「私の知らないところで、こんなにドラマチックなことが起こっていたのか!」ということでした。
「自分も経済(お金)のことをもっと勉強していればよかった・・・。」
と率直にそう思いました。
たくさんの人が職や家を無くしたのに、このように思ってしまったのは不謹慎なのかもしれませんが、確かに言えることは、金融危機が起きていた2007年~2008年当時、私はそんなことも露知らず、只々貧乏暮らしをしていたということです。
常にお金の悩みが付いて回っていました。
経済やお金のことについて何も知ろうと(勉強しようと)しなかった当時の自分を思うと、「そりゃ貧乏になるわ!」とツッコみたくなります。
『ミナミの帝王』で
「法律ゆうんは弱いもんの味方やない、知っとるもんの味方するんや!」という名言がありますが、「法律」を「お金」にそのまま変換することもできます。
すなわち「お金というものは弱いものの味方じゃない、知っているものの味方だ」ということです。
もっと経済のことやお金のことを勉強して、強い人間になりたいと心から思うことができました。
また、勉強したことはこのブログで紹介したいと思っています。
色々と為になりました。
マネー・ショートの次はこの映画・ドラマがおすすめ
映画『マネー・ショート』の次は、このような映画やドラマもおすすめです。
どれもお金の大切さについて考えさせられる作品ばかりです。
これらの作品以外にもお金がテーマの映画やドラマはたくさんあります。
「色々な作品を定額で見たい」という方にはU-NEXTがおすすめです。
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上で挙げた『ミナミの帝王』などU-NEXTでしか観られない作品も見放題作品に入っているので、「気になる作品がある」という方はまずは31日間無料トライアルを試してみてはいかがでしょうか?
それではまた次の記事でお会いしましょう!